高層ビルヘリポート
ヘリポートは「アルミ」or「コンクリート」?
ヘリポートの材料といえばコンクリートが主流でしたが、近年、アルミの採用が進んでいます。その理由は、アルミが持つ数々のメリットにあります。
メリット1:表面劣化が少なくメンテナンスが簡単
ヘリコプターの着陸による衝撃荷重でコンクリートデッキは簡単にクラックが入り、生じたコンクリート片がダウンウォッシュで吹き飛ばされて起こる事故があります。アルミデッキは欠ける心配もなく表面のメンテナンスが容易です。
メリット2:崩壊事故の心配がない
コンクリートデッキはヘリコプターの繰り返しの離着陸により、簡単に防水層が破れるため頻繁な防水層の補修が必要です。防水層が破れコンクリート内に水分が浸透すると鉄筋はやがて錆を生じ、体積が数倍に膨れ、コンクリートが破裂する鉄筋爆裂が起きてコンクリートの崩壊に繋がります。
メリット3:天候に左右されない短い工期
基本的にすべてが工場生産品のプレハブ物であるため、現場施工は組み立てるだけ。塗装工事以外は大きく天候に左右される心配はありません。計画通りの工程で作業が進みます。
メリット4:平坦で水溜りができないため、事故リスクが低い
アルミデッキはすべて工場で生産されるため、組立によって歪みや不陸が生じません。コンクリートデッキは現場合わせによるところが大きく必ず不陸が生じるので、スリップやホワイトアウトの原因になる水溜まりができます。
メリット5:嵩上げ着陸帯によるビル風対策が簡単
ICAO (国際民間航空機関) では屋上ヘリポートのビル風対策として、屋上から一段高い面に着陸帯を設けることを推奨しています。コンクリートデッキヘリポートでは屋上面への直降り設計が目立ちますが、ビル風とヘリのダウンウォッシュによる乱気流が発生するため非常に危険です。
メリット6:ライフサイクルコストの優位性
「アルミデッキヘリポートは材料費が高い」という声もありますが、メンテナンス費や解体時費用まで考慮すると、結果的にライフサイクルコストはアルミ製の方が低くなります。
安全性、経済性、工期短縮など、多くのメリットを持つアルミ製ヘリポート。 ヘリポート建設をお考えの方は、ぜひアルミ製も検討してみてください。