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「Vポート」の建設はなぜ難しい? その1

「Vポート」の建設はなぜ難しい? その1

工業製品の普及速度は右肩上がりだが、都内の大規模ビルの建設は数年に1棟

新型コロナウイルスの発生で当初計画よりは少し停滞したものの、それでも着実に世界中で「空飛ぶクルマ」の実用化へ向けて研究や実証実験が進んでいます。我が国の空を「空飛ぶクルマ」が飛ぶようになるのもそう遠い未来の話ではないでしょう。

「空飛ぶクルマ」のような工業製品は、実用化のためのハードルをいったん越えたら急速に普及します。T型フォードが、あるいは我が国のかつての電化製品の三種の神器「洗濯機・白黒テレビ・冷蔵庫」がそうであったように、普及速度は右肩上がりの二次曲線を描くものです。

工業製品は短期間で爆発的な需要が生まれる

ところで、ここで注意しなければならないのは「工業製品は『利用する場所』がなければ普及しない」ということです。 T型フォードが普及する時代、アメリカにはすでに幌馬車が走るための幅の広い道路が縦横に整備されていました。我が国では、昭和30年代から団地開発が急速に進み、電化製品の三種の神器が短期間で普及しました。 

しかし、T型フォードや電化製品の三種の神器のように、「空飛ぶクルマ」が急激に普及するのかというと、少なくとも我が国の都市部では難しいでしょう。「利用する場所」つまり「着陸できる場所」がないからです。 着陸できる場所(「着陸帯」といいます)が都市部になければ「空飛ぶクルマ」を持っていても意味がありません。道路がなければフォードを買う意味がない、放送局やアンテナがなければテレビを買う意味がない、ということと一緒です。

着陸できる場所がなければ、「空飛ぶクルマ」の普及は進まない

それならばビルの上に「空飛ぶクルマ」が離着陸できる施設「Vポート」を造ればいいじゃないか、と言われそうですが、そう簡単な話ではないのです。既存のビルの上に「Vポート」を建設することはほとんど不可能なのです。 なぜ不可能なのか、どうすればよいのかを説明していきましょう。