「防災」と「減災」の違いは、災害を完全に防ぐことを目指す「防災」に対し、被害を最小限に抑える「減災」にあります。例えば、津波対策では、「防災」は高い堤防を築くことを指し、「減災」は津波避難ビルを建設することで多くの命を救うことを目指します。しかし、「防災」は技術的に可能でも、莫大な費用や時間、住民の反対などで実行が難しいことがあります。そのため、現実的なアプローチとして「減災」が重視されるようになりました。

過去の土木学会では、「減災」より「防災」を目指すべきだとの意見もありましたが、実行の難しさから次第に「減災」の重要性が認識されるようになりました。「最悪の想定」とは過去の経験に基づくものであり、現状を超える災害が発生する可能性も十分にあります。

そのような背景の中、「防災ヘリポート」は、完璧でない「防災」よりも、現実的な「減災」を安価に実現する手段として注目されています。