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DISASTER PREVENTION HELIPORT防災ヘリポート

防災ヘリポート

災害関連死ゼロの未来へ:安全な離着陸場所を造る【4】

災害関連死ゼロの未来へ:安全な離着陸場所を造る【4】

ヘリコプターはどこにでも降りられる万能な乗り物ではないからこそ、行政は災害時にも確実に機能するヘリポートの確保に取り組まなければなりません。

その課題に対する有効な解決策の一つとして、避難施設の屋上をヘリポートとして活用する方法が挙げられます。屋上は通常、周囲に障害物が少なく、広く平坦なスペースを確保しやすい場所です。また、洪水や液状化といった地上の災害の影響を受けにくく、迅速な救助・継続的な支援活動を可能にする有効な手段と言えます。避難者、特に要配慮者が避難所から直接ヘリポートにアクセスできる設計は、移動に伴う身体的・精神的負担を大幅に軽減することにも繋がります。

近年、そのような取り組みは各地で増加傾向にあります。例えば、群馬県高崎市に位置する新町防災アリーナは、その屋上にヘリポートが整備されているだけでなく、非常用電源や備蓄倉庫、さらには簡易シャワーやトイレといった防災設備も充実しています。

新町防災アリーナ

この新町防災アリーナが立地するエリアは、複数の川に囲まれており、大規模な洪水被害が想定されています。また、周辺に高台や高い建物が少ないことから、地域住民の命を守るための避難場所としての機能と、ヘリポートが一体となった施設が強く求められていました。このような多機能型施設は、災害発生時には単なる避難場所としてだけではなく、広域的な救助活動の司令塔、医療搬送拠点、物資輸送の中継点としての役割を果たすことが期待されます。

こうした戦略的なヘリポート整備は、「空の救急車」の真価を最大限に引き出し、災害関連死という悲劇を未然に防ぐための重要な一歩となるでしょう。