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大規模病院にヘリコプター着陸施設が必要となった客観的状況
 
◎対「消防ヘリ」関係通知
 
平成元年「ヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の設置に関する指針・同解説」
 (日本建築センター)
平成2年「高層建築物等におけるヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の設置の推進について」
(建設省住宅局建築指導課 課長通達)
平成2年「高層建築物等におけるヘリコプターの屋上緊急離着陸場等の設置の推進について」
(自治省消防庁救急救助課 課長通達)
 

 それまでは、ヘリコプター着陸施設を設けるか否かは、施主の独自判断に任されていたものが、上記3つの指針・通達が発令されることにより、公的機関から設置指導を受けることになった。上記指針・通達の題名のとおり、当初は高層ビルの建築に伴う指導から始まったものである。
 緊急離着陸場設置の主たる目的は、火事等の災害発生時に「屋上からの非難・救済」と「屋上から消防隊員投入」にあった。その後すぐ、この目的を達成すべき建築物の中に大型病院も含まれると解釈され、平成3年には大型病院の建築に関して各担当消防局が「緊急離発着場」の設置推進を働きかけ始めた。「高層建築物等」の「等」の部分に大型病院や防災関係公共機関も含まれることになったのである。
 この方針は現在さらに強化されており、自治省消防庁からは「推奨する」「要望する」との言葉で指針が明確になっているが、実態は関係担当消防機関からの指導は「強制」に近いものもある。
 これらの指針・通達はあくまで「救助や消火活動などの消防活動が目的」の施設であり、航空法上の呼称としては「緊急離着陸場」もしくは「緊急救助用スペース」と呼ばれるカテゴリの施設の設置を求めるものである。

 続いて、「飛行場外離着陸場」というカテゴリの施設の設置を求める文書が厚生省から通知される。
※「緊急離着陸場」と「飛行場外離着陸場」の違いはエアロファシリティー社作成の「ヘリポートのABC」などで説明されている。(問い合わせ 電話03−5574−7655 ヘリポートチーム )


 
◎対「防災ヘリ」関係通知
 
平成8年「災害拠点病院整備事業の実施について」(厚生省健康政策局長)
平成8年「災害時における初期救急医療体制の充実強化について」(厚生省健康政策局長)
平成9年「災害拠点病院の指定について」(厚生省ホームページ)
 

 阪神淡路大震災の教訓を生かすことから「被災地の医療の確保、被災した地域への医療支援等」を目的とした施設整備の実施要領がまとめられ、厚生省より通知された。厚生省はこの通知に併せて、地域災害医療センターに対してヘリポート整備にかかる費用への補助金交付制度を設けた。
 同時に厚生省は「災害時における初期救急医療体制の充実強化について」と題する文書を、同じく健康政策局長名で都道府県知事宛に通知した。
 この通知によって、全国の災害拠点病院は災害救助活動において実用的なヘリコプター離着陸施設を病院敷地内に有することを条件付けられることになった。「災害拠点病院指定要件」にヘリポート設置が加えられたのである。ただ、この時点では厚生省の管轄下に緊急医療を目的とするヘリコプターはまだ無く、利用の前提となったのは自治省管轄の「防災ヘリ」或いは「消防ヘリ」であった。もっとはっきり言えば、この時点では、この後普及し始める「ドクターヘリ」や「臓器移植に伴うヘリコプター」の運航までを視野に入れた航空法対応は十分に議論されずに施行・発令されてしまった。
 しかしながら、そのことをもって当時の厚生省を攻めるのは酷すぎる。とにかく早急に、次に来る大災害に備えるべき手をうち、発令・実施されたことは大いに評価すべきことである。

 
◎対「ドクターヘリ」関係通知
 
平成11年「ドクターヘリ委員会の設置について」(内閣内政審議室長)
平成12年「ドクターヘリ調査検討委員会報告書」(ドクターヘリ調査検討委員会)
 

 欧米で多くの実績を上げている「ドクターヘリ」を我が国でも実施する方向へ向けて厚生省が中心に動き出したのを受け、内閣内政審議室で検討委員会を設置することが正式に決まった。
 平成12年「ドクターヘリ調査検討委員会報告書」(ドクターヘリ調査検討委員会)によって「各市町村に少なくとも1カ所は夜間照明施設が施された『ヘリポート』または『飛行場外離着陸場』の整備」が求められることになった。
 平成元年からの「消防ヘリ対応」としては “万一の火事に備える”ことが目的の施設が求められた。続いて平成8年からは厚生省健康政策局が中心となって大災害時に「防災ヘリ」の活用が円滑に行われるように、つまりは “大規模地震に備える”ことを目的とした施設が求められることになった。いずれにせよ、 “火事” や“大型地震”が対象であるため、通常の利用は考えられず、殆どの施設は、設置はしたが “火事か地震が無い限り”利用されないことが前提となっていた。このために施設としては高価ではあるが航空法的に通常の飛行は許可されない施設が全国で多く作られてしまった。
 ところが、平成12年から、病院のヘリコプター着陸施設は「ドクターヘリ」の着陸までも視野に入れたものが求められるようになっている。つまり、実際の利用、一年間に数回から数十回程度の利用を前提としたヘリコプター着陸施設の設置がもとめられるようになったのである。
 現状、災害拠点病院や地域の基幹病院に設置が求められているものとしては「夜間も着陸可能な設備の付いた『飛行場外離着陸場』」である。なお、当該クラスの施設は基本的に消防が求める「緊急離発着場」としての基準は満たされることになる。
 建設に当たっては旧建設省管轄の指導要領の他、担当消防署及び飛来の可能性のある消防航空隊、ドクターヘリ運航会社、ドクターヘリ運航拠点病院等への連絡・協議が必要になってくる。
 また、補助金の申請等に関しては各県の健康福祉部(県によって別名称)が窓口であろうと思われる。
以上

 


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