PAGE TOP

COLUMNコラム

コラム

ヘリポートの「R」とは?その意味と役割を徹底解説

ヘリポートの「R」とは?その意味と役割を徹底解説

都市部の高層ビルの屋上には、「H」や「R」の標識(マーク)が描かれたヘリポートのようなものが設置されていることがあります。これらのマークはどちらも、火事などの緊急時に消防用のヘリコプターが人命救助を行うために設置されています。

今回は、「Hマーク(ヘリポート)」と似ているようで実は全く異なる、「Rマーク」の意外な正体について解説します。

Rマークの正式名称と定義

「R」は英語の「Rescue(レスキュー=救助)」の頭文字です。正式名称は、各地方自治体の消防局の設置指導により「緊急救助用スペース」、または「ホバリングスペース」と定義されています。

最も重要な点は、この場所は消防用のヘリコプターが着陸するための場所ではないということです。「H(緊急離着陸場)」が実際に消防用のヘリコプターが着陸できるのに対し、「R」は上空で静止するホバリング状態で活動します。機体を接地させず、ウインチで隊員が降下したり要救助者を引き上げたりするための、「空から救助可能であることを示す目印」なのです。

Rマークには着陸できない

なぜ「R」が使われるのか?その背景と目的

「せっかくなら着陸できるようにすればいい」と思われるかもしれませんが、それには高いハードルがあります。

第一に、数トンの機体が着陸する衝撃に耐えるにはビル全体を頑丈にする必要があり、建築コストが跳ね上がること。第二に、都市部の細長いビルでは、安全に着陸できる広さの確保が容易ではないことです。

それでも「R」を設置するのは、はしご車の届かない高層ビル火災に備えて空からの避難ルートを確保するためです。消防用のヘリコプターが離着陸するための着陸帯を整備しなくても、ホバリングスペースさえあれば、いざという時に多くの命を救うことができます。

Rマークの設計上の特徴

このマークには、安全確保のための設置基準が定められています。

「R」マークは原則として黄色い文字で描かれます。屋上面の背景と同化せず、パイロットが一目で識別できるようにするための工夫です。

大きさについては、「概ね10メートル×10メートル以上」または「直径10メートル以上の円」の確保が必要です。これはヘリコプターがホバリングを行い、安全にウインチで人を上げ下げするために必要な最低限のスペースとされています。

また、この10メートル四方の上空には、電線やアンテナといった障害物が一切あってはいけません。プロペラの接触事故や、ホバリングによる強風(ダウンウォッシュ)での破損を防ぐためです。