V ポート
「Vポート」の建設はなぜ難しい? その4

床面強度以外にもクリアすべき課題がある
「ヘリコプターに比べるとVTOLははるかに軽量のモノが多い。軽いVTOLなら緊急離着陸場(Hマーク)の床面強度でも持つのではないですか?」との質問も多く寄せられています。実際、強度的に持つものはいくつか存在します。既存のHマークをVポートとして活用できれば、都市部におけるVポート整備のハードルは大きく下がるでしょう。しかし、それらを実際にVポートとして利用するのは容易ではないと考えられます。それはなぜでしょうか?
ただ離着陸ができれば良いというものではない
大きなホテルを想像してみてください。宿泊客やレストラン利用者のために、ホテルには大きく美しいエントランスがあります。そして、エントランスからホテルの受付までスムーズにお客様が移動できるよう、通路の幅や段差などを考慮した設計がされています。車椅子の方や大きな荷物を持った方でも快適に移動できるよう、配慮が行き届いているのです。

それ以外に従業員専用の出入口や納入業者専用の搬出入口もあるでしょう。それぞれの出入口にはそれぞれの目的があるわけです。それらはもちろん設計の段階からどのような利用をするのかを考えて作られています。
Vポートも同じです。利用者や目的、安全性、運用効率など、あらゆる視点から多角的に検討し、最適な設計を行う必要があります。「Hマーク」はあくまで火災時の使用を想定したものであり、お客様を迎え入れるための施設としては設計されていません。「Hマーク」を「Vポート」として使うことは、「ホテルにタクシーで来られたお客様を従業員専用出入口から入れるようなもの」と言えます。お客様に利用していただく施設は設計の段階から十分に吟味しておくことが必要なのです。
